韓国の定番土産として知られる「くるみ饅頭(ホドゥクァジャ)」は、くるみの食感とあんこの甘さをふんわりとした生地で包んだ焼き菓子です。日本人旅行者の間でも人気が高く、職場や友人へのばらまき土産として選ばれることが多いお菓子のひとつです。
本来の発祥地は忠清南道・天安ですが、近年は釜山でも専門店や観光地で購入できるようになり、旅行中に目にする機会が増えています。釜山旅行の計画を立てる人の中には「どこで買えるのか」「日持ちはどれくらいか」「本場との違いは何か」といった具体的な情報を知りたいと考える人が少なくありません。
この記事では、釜山でくるみ饅頭を購入できるおすすめスポットや店舗情報に加えて、価格や保存方法、本場である天安との違いなどを整理します。旅行中に効率よくお土産を確保したい方や、文化的な背景を知りたい方に役立つ内容をお届けします。
釜山でくるみ饅頭は買える?
主な購入エリア
釜山でくるみ饅頭を探す際、最も有名なのが南浦洞・国際市場エリアです。ここには「ホドゥパンパン」と呼ばれる専門店があり、観光客だけでなく地元の人も足を運ぶ人気スポットとなっています。地下鉄1号線の南浦駅から徒歩でアクセスできるため、観光ルートに組み込みやすい立地です。店頭では焼き立てが並び、行列ができる時間帯も多く、特に週末は売り切れが早い場合があります。
もう一つの中心地は西面エリアです。若者の街として知られる西面には「ホドゥ家」という店舗があり、買い物や食事の合間に立ち寄りやすい立地です。こちらも観光客に人気で、餡にバターを加えたものやチョコレート風味など、少し変わり種のフレーバーを楽しめるのが特徴です。西面駅周辺はショッピングモールや飲食店が集まる活気あるエリアのため、買い物と合わせて訪れる人が多く見られます。
空港・駅での購入可否
旅行者にとって気になるのが、帰国直前に金海国際空港で購入できるかどうかです。空港内の売店では定番の韓国土産や菓子類が多く並びますが、くるみ饅頭の取り扱いは限定的で、必ずしも常設されているわけではありません。時期や売店によって扱いが変わるため、確実に購入したい場合は市内の店舗を利用する方が安心です。
また、釜山駅周辺や高速道路のサービスエリアでも販売されているケースがあります。韓国全土で広く流通しているため、車移動の場合はサービスエリアで入手できる可能性があります。ただし、地域限定の人気店の味を求めるなら、南浦洞や西面での購入が中心となります。
おすすめ店情報
国際市場「ホドゥパンパン」
南浦洞・国際市場エリアで人気を集めるのが「ホドゥパンパン」です。地下鉄1号線南浦駅から徒歩数分で到着できる立地にあり、観光やショッピングの合間に立ち寄りやすいのが特徴です。店頭では次々と焼き上げられるくるみ饅頭が並び、香ばしい香りに誘われて行列ができることもあります。営業時間は午前から夜までですが、夕方以降は売り切れることも多いため、早めの時間帯に訪れるのがおすすめです。
販売されているのは小箱から大きめのギフト箱まで幅広く、8個入りや16個入りといったサイズが定番です。出来立てをその場で食べることもでき、温かい状態で味わうと外は香ばしく中はふんわりとした食感が楽しめます。観光地の中心にあるため、買い物や食事の前後に立ち寄る人が多く見られます。
西面「ホドゥ家」
若者の街・西面で人気を集めているのが「ホドゥ家」です。地下鉄西面駅からアクセスが良く、繁華街の散策中に立ち寄りやすい場所にあります。こちらの店舗は、スタンダードなあん入りくるみ饅頭に加えて、餡バターやヌテラなどの変わり種フレーバーを展開しているのが特徴です。ユニークな味を求める旅行者や、SNSに投稿したい人にとって魅力的なスポットです。
店内や店頭で焼き立てが販売されており、熱々の状態で食べられるのも人気の理由です。西面はショッピングやグルメが集まるエリアなので、観光や買い物の合間に気軽に立ち寄ることができます。週末や夕方の時間帯は混雑しやすいため、平日や午前中に訪れるとゆったり購入できます。
価格・日持ち・持ち帰り方法
価格帯と箱サイズ
釜山で販売されているくるみ饅頭は、箱のサイズによって価格が変わります。一般的には8個入りや16個入りが定番で、旅行者がお土産として買いやすいサイズです。小箱は手軽な価格帯で、ちょっとした配り用や自分用に適しています。大きめのギフト用は24個入りや32個入りなどもあり、職場や家族へのまとめ買いに利用されることが多いです。店舗によって価格は異なりますが、韓国の他のお土産菓子と比べても手頃な範囲に収まっています。
日持ちと保存方法
日持ちは常温でおよそ5日前後とされることが多く、夏場は保存環境によってさらに短くなる場合があります。冷蔵保存をすれば1週間程度、冷凍すれば10日ほど持たせることが可能です。焼き立てを購入した場合は特に鮮度が落ちやすいため、早めに食べるのが良いとされています。保存の際には乾燥や直射日光を避けることが大切です。
お土産としての持ち帰り方
箱入りの商品は比較的コンパクトで、スーツケースや手荷物に入れやすい形状になっています。重量も軽いため、他のお土産と一緒にまとめて持ち帰りやすいです。空港での持ち込みに際して特別な制限はなく、日本への持ち込みも問題ありません。ただし、アレルゲンとしてくるみや小麦、乳製品を含むため、贈る相手に配る際は成分表示を確認しておくと安心です。
ホドゥクァジャとは?
天安発祥の歴史
ホドゥクァジャは1934年、忠清南道の天安市で誕生したとされています。創業者が日本の饅頭文化に影響を受けつつ、韓国の食材であるくるみを取り入れて独自に開発したのが始まりです。名前の「ホドゥ」は韓国語でくるみを意味し、「クァジャ」は菓子を指します。発売当初から地元の人々に親しまれ、やがて韓国全土に広まっていきました。
天安の駅周辺には現在も老舗のホドゥクァジャ専門店が点在しており、観光客が訪れるスポットとしても知られています。創業当時のレシピを守る店も多く、昔ながらの味を楽しめるのが特徴です。地元では贈答品としても定着し、冠婚葬祭や季節の行事で用いられることもあります。
韓国国内での流通
天安発祥のホドゥクァジャは、現在では韓国全土で広く流通しています。特に高速道路のサービスエリアでは定番商品として並び、車での移動時に気軽に購入できるスナックとして人気があります。旅行の途中で立ち寄る場所で目にすることが多いため、韓国人にとって身近なお菓子といえます。
また、大都市の百貨店や観光地の売店でも販売されることがあり、地方に行かなくても手に入る機会が増えています。焼き立てを提供する店舗もあれば、真空パックや冷凍対応の商品もあり、購入シーンに応じて選べるのが特徴です。韓国国内では「誰もが一度は食べたことがある国民的なおやつ」として認知されています。
慶州「皇南パン」との違い
皇南パンとは?
皇南パンは慶州市を代表する銘菓で、1939年に誕生しました。小麦粉をベースにした薄い生地で小豆あんを包み、オーブンで焼き上げた素朴な菓子です。見た目は丸く小ぶりで、皮が非常に薄いため中の餡がしっかりと感じられるのが特徴です。材料は小麦粉と小豆を中心に、保存料を使わずシンプルに仕上げられていることから、地元の人々に長く親しまれてきました。
慶州市内には皇南パンの専門店が複数あり、観光客は古都散策の合間に購入することができます。特に皇南洞にある本店は観光名所のひとつとなっており、観光バスで訪れる団体客が立ち寄る定番コースにもなっています。店頭で焼き立てを提供しているため、観光中にその場で味わえるのも魅力です。
よくある誤解を整理
旅行者の中には、慶州の皇南パンと天安発祥のホドゥクァジャを混同する人が少なくありません。どちらも焼き菓子であり、餡を包んでいる点は共通していますが、材料や味わいは異なります。ホドゥクァジャには刻んだくるみが加えられているのに対し、皇南パンは小豆あんのみを使用し、よりシンプルな仕立てになっています。
また、「慶州がくるみ饅頭の本場」と誤解されるケースも見られますが、実際には天安が発祥の地です。慶州の名物はあくまで皇南パンであり、両者は地域ごとに別の銘菓として発展してきました。現地で購入する際は、名称や説明を確認することで誤解を避けることができます。
食べ歩き・旅行体験の楽しみ方
BIFF広場周辺の屋台事情
南浦洞にあるBIFF広場は、釜山の食べ歩きスポットとして有名なエリアです。屋台が立ち並び、トッポッキやホットクなど定番の韓国屋台グルメが揃っています。ここを訪れた際には、くるみ饅頭を含む甘いスナックも見かけることがあり、観光の合間に立ち寄る旅行者に人気です。夕方から夜にかけては人通りが増え、屋台の活気も一層高まるため、食べ歩きの雰囲気を楽しみたい方に向いています。
観光客だけでなく地元の人々も訪れるため、現地の生活感を味わえるのも魅力のひとつです。くるみ饅頭をはじめ、さまざまな屋台グルメを食べ比べながら散策すれば、旅行の思い出として印象深い体験になります。
SNS映えポイント
くるみ饅頭はそのかわいらしい見た目や断面の美しさから、写真映えするお菓子としても人気があります。焼き立てを割った瞬間に広がるあんこの光沢や、表面にくるみがのぞく生地の質感は撮影のしどころです。箱を開けたときの整然と並んだ姿も、SNSでシェアしたくなるポイントになります。
また、フレーバー付きの商品を扱う店舗では、チョコレートやバターが加わった断面がより華やかに映えます。店頭で購入してすぐに撮影すれば、臨場感のある写真を残せます。旅行中の記録としてだけでなく、友人や家族にシェアする際の話題作りにも役立ちます。
まとめ
釜山では、南浦洞の国際市場や西面エリアを中心に、くるみ饅頭を購入できる店舗がいくつか存在します。観光スポットに隣接しているため、旅行の合間に立ち寄りやすく、焼き立てをその場で味わえる点も魅力です。箱入りの商品はサイズや価格のバリエーションがあり、配り土産としても利用しやすくなっています。
日持ちは常温で数日、冷蔵や冷凍で保存期間を延ばせるため、帰国後に家族や職場で配る際にも安心です。箱は軽量で持ち帰りやすく、旅行者にとって扱いやすいお土産といえます。アレルゲン表示を確認しながら配布すれば、受け取る相手にも気配りが伝わります。
ホドゥクァジャは天安発祥の菓子であり、慶州の皇南パンとは異なる存在です。旅行中に歴史や文化的な背景を知ることで、単なるお土産以上の楽しみ方が広がります。観光地の雰囲気を味わいながら食べ歩いたり、SNSで共有したりと、体験としての価値も高い一品です。