「静岡県って、地方区分の選択肢でどこを選べばいいの?」
ネットショッピングの送料確認や会員登録の画面で、「関東」を探してもないし、「中部」を見ても違和感がある……そんな経験はありませんか?
実は静岡県は、日本一、地方区分が曖昧な県と言っても過言ではありません。学校では「中部地方」と習いますが、天気予報や行政、さらには電力会社によっても「関東扱い」か「中部(東海)扱い」かがコロコロ変わるのです。
この記事では、静岡県が「何地方」に属するのか、教科書的な正解から実生活での使い分けまで、わかりやすく解説します。
【結論】静岡県は基本的に「中部地方」だが、場面によって変化する
まず、一番知りたい結論からお伝えします。
迷ったら、まずは「中部地方」(あるいは「東海地方」)の選択肢を探してください。それがなければ「関東」に含まれている可能性があります。
状況ごとの分類を一目で確認できる早見表を作成しました。
正解と使い分けの早見表
| 場面・ジャンル | 分類される地方 | 補足 |
|---|---|---|
| 学校教育・地理 | 中部地方 | 地理の授業や教科書での正式な定義 |
| 行政・管轄 | 中部 / 関東 | 省庁により「関東甲信越」や「東海」に分かれる |
| 天気予報 | 東海地方 | 基本は東海だが、ニュースでは「関東甲信」とセットにされることも |
| 電力(周波数) | 東日本 / 西日本 | 富士川を境に東電(50Hz)と中電(60Hz)が混在 |
| スポーツ | 東海 | 高校野球などは東海地区として扱われる |
| 送料・配送 | ケースバイケース | 「関東」料金で届く場合もあれば、「中部・東海」料金の場合もある |
解説:基本は「中部」だが、柔軟な判断が必要
- 教科書的な正解:
地理的には本州の中央部、太平洋側に位置するため、学校教育(社会科)では「中部地方」と習うのが正解です。 - 実用上の注意:
しかし、ネットショッピングの「サービス対象エリア」や企業の支店管轄などでは、東京からの物流の便が良いことから「関東エリア」に含まれることも多々あります。「中部になければ関東を探す」というスタンスが重要です。
なぜ分類がブレるのか?ジャンル別の詳しい境界線
なぜここまで静岡県の扱いは曖昧なのでしょうか。それは静岡県が日本の東西を結ぶ「結節点」であり、ジャンルによって都合の良い区分けが異なるからです。
天気予報・気象庁の区分
気象庁の公式な予報区分では、静岡県は「東海地方(静岡・愛知・岐阜・三重)」に含まれます。
しかし、テレビのニュース番組(特にNHKや在京キー局)では、電波の関係や首都圏との人の往来が多いことから、「関東甲信越の天気」として東京の天気と一緒に報道されることがよくあります。特に県東部ではその傾向が顕著です。
電力会社と周波数の違い(50Hz/60Hz問題)
静岡県は、電気の周波数が県内で真っ二つに分かれている珍しい地域です。
- 富士川以東(伊豆・東部): 東京電力パワーグリッド(50Hz)= 関東寄り
- 富士川以西(中部・西部): 中部電力パワーグリッド(60Hz)= 中部寄り
引っ越しなどで家電製品を持っていく際、「県内移動なのに周波数が変わる」というトラブルが起きるのも静岡特有の現象です。
省庁や行政機関の管轄
お役所の「縦割り」によっても区分はバラバラです。
- 警察庁(関東管区警察局): 静岡は「関東」の管轄です。
- 防衛省(陸上自衛隊): 東部方面隊(朝霞)の管轄で、「関東」扱いです。
- 国土交通省・農林水産省など: 多くの場合、「中部」や「東海」、あるいは北陸を含めた管轄になります。
企業や配送エリア(送料)の区分
物流において、静岡県は東京と名古屋をつなぐ大動脈です。
配送業者やECサイトによって、「関東・信越」ブロックに入れられることもあれば、「東海・北陸」ブロックに入れられることもあります。
送料一覧表を見る際は、必ず両方の列を確認する必要があります。
県内でも意識が違う?「東は関東、西は名古屋」の地域差
静岡県は東西に非常に長い(約155km)ため、住んでいる場所によって住民の「帰属意識」も異なります。
伊豆・東部エリア(熱海・三島・沼津など)
- 「気分はほぼ関東」
- 新幹線を使えば東京まで通勤圏内(三島〜東京は約50分)です。
- 観光客も首都圏からが多く、テレビも東京の番組を自然に見ているため、関東地方の一員という感覚が強いエリアです。
西部エリア(浜松・磐田など)
- 「気分は完全に中部(東海)」
- 経済的・文化的に愛知県(名古屋・豊田)との結びつきが非常に強いエリアです。
- スズキやヤマハなどの製造業が多く、トヨタ系企業との取引も盛ん。言葉も「〜だら」「〜じゃん」など、三河弁に近い方言が使われます。
中部エリア(静岡市周辺)
- 「ザ・静岡」
- 県庁所在地があり、東西のバランスを取っているエリアです。
- 関東でも名古屋でもない、独自の「静岡」としてのアイデンティティを持っています。
まとめ:静岡は日本の「へそ」。目的によって使い分けよう
静岡県は、関東と中部のどちらにも属する顔を持つ、ハイブリッドな県です。
「どっちが正解?」と白黒つけるよりも、「基本は中部だけど、便利なら関東に入ることもある」という柔軟な立ち位置こそが、静岡県の特徴と言えるでしょう。