「廣島」と「広島」。看板や歴史的な文献で見かけるこの2つの表記に、「何か深い意味の違いがあるのだろうか?」と疑問を持たれたことはありませんか?
結論から言うと、この2つは同じ場所を指す新旧の字体の違いです。
この記事では、「廣島」という漢字の成り立ちや出し方、そして「広島」という地名がどのようにして生まれたのかという歴史的背景まで、分かりやすく解説します。
「廣島」と「広島」の違いは?新旧字体の関係と使い分け
「廣島」と「広島」は全く同じ意味であり、単に「旧字体」か「新字体」かの違いです。
| 項目 | 廣島(旧字体) | 広島(新字体) |
|---|---|---|
| 表記の種類 | 旧字体(旧漢字) | 新字体(常用漢字) |
| 主な使用時期 | 戦前(1946年以前) | 戦後から現在 |
| 現在の用途 | 歴史的な文献、伝統ある看板、固有名詞(神社・老舗など) | 公文書、報道、一般的な日常表記 |
| ニュアンス | 伝統、格式、歴史的重みを感じさせる | 現代的、簡潔、親しみやすい |
「廣」は「広」の古い書き方です。
戦後の1946年(昭和21年)に「当用漢字表」が制定された際、複雑な「廣」の字が簡略化され、現在の「広」になりました。
現在、日常生活や公的な書類では「広島」と書くのが一般的ですが、老舗の看板や歴史的な石碑、あるいは伝統を重んじるブランドなどでは、あえて「廣島」という表記が今も大切に使われています。
「廣」という漢字の知識:出し方・書き方・意味
「廣」という字をいざ入力しようとしても、なかなか出てこなくて困ることがありますよね。ここでは、パソコンやスマホでの出し方と、漢字の成り立ちを紹介します。
パソコンやスマホでの「廣」の出し方
「廣」は変換候補の後半に出てくることが多いため、以下の方法を試すとスムーズです。
- 「ひろ」と入力して変換: 変換候補を根気強くスクロールしていくと出てきます。
- 「ひろしま」と入力: 候補の中に「廣島」が含まれていることが多いです。
- 部首から探す: 「まだれ(广)」の部首から探すことができます。
- 手書き入力: スマホのキーボード設定にある「手書き」機能を使うのが最も確実です。
「廣」の字が持つ意味と成り立ち
「廣」は、「まだれ(建物)」の中に「黄(広い)」という字が含まれて構成されています。
もともとは「家屋が広く、ゆったりしていること」を語源としています。「広い」「広める」「広がる」という意味は現在の「広」と全く同じです。
広島の名前の由来:なぜ「広島」と呼ばれるようになった?
「広島」という地名が誕生したのは、今から400年以上前の戦国時代末期のことです。その由来には有力な2つの説があります。
1. 毛利輝元による命名説(人名の組み合わせ)
1589年(天正17年)、戦国武将の毛利輝元が広島城を築いた際、自身の祖先である大江広元の「広」と、この地の案内役を務めた地元豪族・福島元長の「島」を組み合わせて「広島」と名付けたという説です。
2. 地形に由来する説
広島の街は、太田川の河口に形成された広大なデルタ(三角州)の上に成り立っています。このデルタ地帯が海に浮かぶ「広い島」のように見えたことから、自然発生的にそう呼ばれるようになったという説です。
広島の歴史を辿る:築城から平和都市への歩み
広島は、城下町として発展し、近代では軍都としての側面を持ち、そして戦後の復興を経て平和都市へと生まれ変わりました。
- 1589年: 毛利輝元が広島城を築城。本格的な城下町の整備が始まる。
- 1619年: 浅野長晟(あさの ながあきら)が入封。以降、浅野氏が明治まで統治する。
- 1889年: 市制施行により「広島市」が誕生。
- 1945年8月6日: 世界初の原子爆弾が投下される。
- 1949年: 「広島平和記念都市建設法」が制定され、復興が本格化。
- 1980年: 全国で10番目の政令指定都市に移行。
広島県の基本データとシンボル
現在の広島県がどのような姿をしているのか、面積や人口、県のシンボルをまとめました。
広島県の基本統計
- 面積: 約8,479平方キロメートル(全国11位)
- 人口密度: 約324人/平方キロメートル(2020年基準)
- 県章: 広島の「ヒ」を円形に図案化したもので、円は「和」と「団結」を象徴しています。
広島を象徴するシンボル
| シンボルの種類 | 名称 | 理由・特徴 |
|---|---|---|
| 県の花 | モミジ | 三段峡や宮島など、県内に紅葉の名所が多いため。 |
| 県の木 | モミジ | 1966年に県民投票によって選定されました。 |
| 県の鳥 | アビ | 瀬戸内海に飛来する渡り鳥。古くから漁師に親しまれています。 |
豆知識: 広島土産の定番「もみじ饅頭」は、明治時代に宮島の紅葉谷を訪れた伊藤博文の言葉がきっかけで考案されたというエピソードも有名です。
「廣島」という表記には、その土地が歩んできた長い歴史と伝統への敬意が込められています。街中で「廣」の文字を見かけた際は、ぜひその背景にある物語に思いを馳せてみてください。