高知市を訪れる旅行者や出張者にとって、「どこが一番にぎわっているのか」「地元グルメはどこで楽しめるのか」といった、街の“中心”を知ることは旅の満足度に大きく関わります。土地勘がない状態では、食事やお酒を楽しむためのエリア選びも迷いやすく、特に初めて訪れる人にとっては不安や疑問がつきものです。
高知には「帯屋町」や「ひろめ市場」、「追手筋」など、地元でも定番の繁華街が点在しており、それぞれに異なる雰囲気や楽しみ方があります。観光客に人気の賑やかなスポットもあれば、地元の人が通うディープな飲み屋街もあり、目的に応じたエリア選びがカギとなります。
本記事では、高知市内の代表的な繁華街の特徴やアクセス情報、さらに観光・ビジネス・グルメといった目的別におすすめのエリアを紹介しながら、あなたにぴったりの過ごし方を提案します。土地勘がなくても迷わず楽しめるよう、高知の夜をもっと身近に感じられるガイドをお届けします。
高知市の主な繁華街エリア
帯屋町:昼も夜もにぎわうアーケード商店街
帯屋町は、高知市中心部を東西に走るアーケード付きの商店街で、地元の人からも観光客からも親しまれています。昼間は買い物やカフェ巡りを楽しむ人々でにぎわい、衣料品店や雑貨店、老舗の和菓子店など多彩な店舗が軒を連ねています。屋根があるため、雨の日でも快適に歩けるのが特徴で、旅行中のちょっとした買い物や休憩にも便利です。
夜になると営業を終える店もありますが、一部の飲食店や居酒屋は引き続き営業しており、食事処としても利用できます。観光客向けの飲食店だけでなく、地元の常連客が集う小さな居酒屋も点在しており、商店街の表情が昼と夜で異なるのもこのエリアの魅力のひとつです。
ひろめ市場:観光と地元グルメを一度に楽しめるスポット
ひろめ市場は、高知城の東側に位置する屋内型のフードコート兼市場で、高知の味覚を一度に楽しめる場所として人気を集めています。中には飲食店や屋台、土産物店などが密集しており、開放的なテーブルスペースでは複数の店舗の料理を自由に持ち寄って味わうことができます。
名物のカツオのたたきをはじめ、地元の野菜を使った惣菜や地酒も充実しており、昼間からお酒を楽しむ人も多く見られます。一人でも気軽に入りやすいカジュアルな雰囲気が特徴で、観光の途中に立ち寄るのはもちろん、夜にはにぎやかな飲みの場として地元の人も利用しています。
追手筋・蓮池町周辺:夜の居酒屋街・ナイトライフの中心
追手筋通りとその東側に広がる蓮池町エリアは、高知市のナイトライフを代表する繁華街で、多くの居酒屋やバーが立ち並んでいます。追手筋は昼間こそ静かな通りですが、夜になると看板が灯り始め、サラリーマンや観光客でにぎわいを見せます。街灯が整備された明るい通り沿いには、地元の料理を出す居酒屋やおしゃれなバル、カウンター席中心の酒場などが点在しています。
蓮池町は、ややディープな雰囲気の漂う小さな飲み屋が密集したエリアで、古くから地元の人に愛されてきた店舗も多く見られます。昔ながらの雰囲気を残しつつ、女性や一人客でも入りやすい店も増えており、通好みのエリアとして注目されています。路面電車の「蓮池町通」電停も近く、アクセスの良さもこの界隈の特徴です。
高知駅・はりまや橋からのアクセスと位置関係
各繁華街の位置と距離感
高知駅から帯屋町までは、徒歩でおよそ10分程度の距離にあります。駅前を南に進み、「高知橋」を渡った先に商店街の入り口があり、アーケード内に入ればそのまま帯屋町へと続きます。道中にはカフェやホテルも点在しており、道に迷うことなくスムーズにアクセスできます。
ひろめ市場は帯屋町アーケードの西端から徒歩2〜3分ほどの場所に位置しており、高知城の東側に隣接しています。観光ルート上でも立ち寄りやすく、昼間から人の往来が多いエリアです。はりまや橋からもアクセスが良く、複数の繁華街を徒歩で回ることが可能です。
追手筋通りは、ひろめ市場のすぐ北側に広がっており、帯屋町やひろめ市場からの流れで訪れる人も多く見られます。蓮池町エリアはさらにその東側にあり、中心部の繁華街が帯屋町〜追手筋〜蓮池町という形で密集しているため、短時間で移動ができます。
移動手段の選び方と時間目安
高知駅から各繁華街へは徒歩移動が基本ですが、荷物が多い場合や悪天候のときは路面電車の利用が便利です。駅前からは「はりまや橋」方面へ向かう電車が頻繁に出ており、約5分で到着します。はりまや橋は複数の電車路線が交差するターミナル的な役割を持ち、各繁華街への分岐点となっています。
タクシーを利用する場合も、駅から繁華街までの移動はワンメーター圏内に収まることが多く、夜間や雨の日の移動手段として重宝されます。特に出張などで限られた時間しかない場合や、複数人での移動ではタクシーの効率が高まります。路面電車と徒歩、必要に応じてタクシーを組み合わせることで、無駄なく市内を回ることができます。
目的別おすすめ繁華街エリア
観光で訪れる人におすすめのエリア
観光で高知を訪れるなら、まずチェックしておきたいのが帯屋町とひろめ市場です。帯屋町はアーケードが整備された商店街で、観光中の食べ歩きやお土産探しに適した店舗が並びます。地元の特産品や手作りの工芸品を扱う店もあり、歩くだけでも土地の雰囲気を味わえます。
ひろめ市場は、昼からお酒を楽しめるグルメスポットとして人気があり、観光客の姿も多く見られます。地元名物を複数の店から選んで味わえるフードコート形式のため、気軽にいろいろな料理に挑戦しやすいのが魅力です。観光の合間に立ち寄るにはうってつけのスポットです。
仕事終わり・出張のビジネスパーソン向け
出張などで短期間高知に滞在する場合には、ホテルからのアクセスや一人でも入りやすい飲食店の多いエリアがポイントになります。追手筋には、仕事終わりに立ち寄れるようなカジュアルな居酒屋やバーが多く、サラリーマンの利用も目立ちます。カウンター席を備えた店舗も多く、一人飲みに適した雰囲気があります。
蓮池町周辺はさらにコンパクトに飲食店が密集しており、移動時間をかけずに何軒か巡ることもできます。深夜営業の店や、地元の人と自然に会話が始まるようなアットホームな居酒屋もあり、ビジネス利用にも親しみやすい空気感が漂っています。
ローカルな雰囲気を味わいたい人におすすめ
観光地では味わえない地元密着型の雰囲気を求めるなら、蓮池町エリアが候補に挙がります。細い路地にひしめくように立ち並ぶ店は、どれもこぢんまりとしていて、常連客と店主の距離が近い独特の空気があります。観光客向けの派手さはない分、落ち着いた時間を過ごしたい人には向いています。
追手筋もまた、ローカルな居酒屋文化が色濃く残る場所です。店ごとの個性が際立ち、料理の内容や価格帯にも地元らしさが表れています。看板に引かれてふらっと入る楽しみもあり、地元の人々に混じって食事やお酒を楽しみたいという人には興味深いエリアです。
高知繁華街で楽しめる名物グルメガイド
絶対食べたい!カツオのたたき名店
高知グルメといえば、やはり外せないのがカツオのたたきです。ひろめ市場内には複数の店舗がカツオのたたきを提供しており、その場で焼き上げた藁焼きの香ばしい風味が食欲をそそります。テーブル席で自由に飲食を楽しめるため、グループでも一人でも立ち寄りやすく、観光の合間の食事にも適しています。
ひろめ市場以外にも、追手筋や蓮池町の居酒屋では、観光客向けではない地元密着型の名店が点在しています。これらの店では、厚切りで食べ応えのあるカツオや、にんにくをたっぷり添えたローカルスタイルの提供が定番で、料理人が藁焼きにこだわっている店舗も少なくありません。味の違いや調理方法に触れることで、より深く高知の食文化を楽しむことができます。
屋台グルメ&一品料理が充実のエリア
帯屋町からひろめ市場、追手筋にかけては、カウンター中心の小料理屋や立ち飲み風の居酒屋も多く、気軽に地元の一品料理を楽しむことができます。ウツボの唐揚げやどろめ(イワシの稚魚)、のれそれ(アナゴの稚魚)といった珍味も高知らしいラインナップで、地酒と合わせて味わえば旅気分がさらに高まります。
屋台形式で営業している店舗は数こそ多くはありませんが、夜になるとひろめ市場近くや蓮池町周辺に簡易な飲食スペースを構える屋台も登場します。焼き餃子や串焼きなど、サクッと食べられるメニューを扱う店が中心で、二軒目や飲み歩きの途中に立ち寄るのにちょうど良い雰囲気があります。店主との会話を楽しみながら、気軽に立ち飲みできるのも屋台ならではの魅力です。
女性や一人旅でも安心して楽しめるエリアは?
治安や雰囲気で見る安心感
高知市中心部の繁華街は、夜でも比較的明るく人通りがあり、女性や一人旅でも安心して歩ける雰囲気があります。帯屋町のアーケード内は街灯が多く、飲食店も開いているため、日が暮れてからも活気があります。駅からのルートもわかりやすく、初めての訪問でも迷いにくい立地です。
追手筋周辺は夜になると飲食店の看板が灯り、にぎやかな印象がありますが、整備された歩道や交通量のある通り沿いにあるため、極端に入り組んだ路地に入らない限り不安を感じにくいエリアです。蓮池町も同様に、路面電車の電停が近く、明るい通りに面した店が多く、周囲の視界も確保されていることから夜でも安心感があります。
初心者でも迷わず楽しめるエリアの選び方
高知駅から徒歩で移動しやすく、道中に目印となる建物が多いのが帯屋町やひろめ市場の魅力です。駅から南に向かって進み、アーケードの入り口を見つけたら、そのまま進むだけで自然と目的地にたどり着けるため、土地勘がなくても動きやすい構造になっています。Googleマップと併用すれば、路地裏に入ることなく観光が可能です。
ひろめ市場は屋内型の施設で、明るく開放的な雰囲気があり、複数の店を見て回りながら自分のペースで食事を選ぶことができます。カウンター席や相席スタイルのテーブルが多く、ひとりでも浮かない構成となっており、女性のひとり飲みや食事でも気兼ねなく楽しめる空間です。入り口に案内板や地図が掲示されていることも、初訪問者には心強いポイントです。
まとめ
高知市の繁華街は、帯屋町、ひろめ市場、追手筋、蓮池町といったエリアにそれぞれの個性があり、観光・出張・一人旅など目的に応じて選ぶ楽しみがあります。商店街のにぎわい、地元グルメが集まる市場、ディープな居酒屋街と、街全体が歩いて楽しめる規模にまとまっているのも魅力のひとつです。
アクセス面では高知駅やはりまや橋を起点にすれば、主要エリアを徒歩圏内で巡ることができ、限られた時間の中でも充実した体験が可能です。治安の良さや店の入りやすさもあり、女性や一人旅でも安心して利用できるエリアが多くそろっています。高知らしい夜の楽しみ方を、自分のスタイルに合わせて見つけてみてください。