盛岡 vs 郡山:どっちが都会?東北2位は?人口と利便性を徹底比較

盛岡と郡山、岩手と福島の県庁所在地として知られるこの2つの都市。東北地方の中でも有数の規模を誇り、それぞれの地域で重要な役割を担っています。歴史や文化、自然に恵まれた両都市ですが、都会としての魅力はどちらが上でしょうか。人口や利便性など、様々な角度から盛岡と郡山を比較し、東北地方の2番目の都市の座を探ります。

人口比較

総人口の差は約4万人

2024年現在、盛岡市の総人口は約28万人、郡山市は約32万人で、その差は約4万人です。盛岡市は岩手県内で最も人口が多い都市です。一方、郡山市は福島県内で最大の都市であり、東北地方では仙台市に次ぐ第2位の都市となっています。

将来的な人口推移の予測

国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2045年には盛岡市の人口は約24万人、郡山市は約27万人まで減少すると予測されています。減少率は盛岡市の方がわずかに大きいようです。

人口密度は郡山市が高い

人口密度を見ると、盛岡市が317人/km²なのに対し、郡山市は422人/km²と、郡山市の方が高くなっています。これは、郡山市の方が都市部に人口が集中していることを示唆しています。

年齢構成の特徴

両都市とも高齢化が進んでいますが、65歳以上の割合は盛岡市が27.6%、郡山市が26.5%と、盛岡市の方が若干高くなっています。一方、15歳未満の割合は郡山市の方が高く、若年層の比率では郡山市が上回っています。

経済・産業の比較

盛岡市の主要産業

盛岡市は、第三次産業が経済の中心で、卸売業・小売業、宿泊業・飲食サービス業、医療・福祉などが盛んです。また、市内には多くの行政機関や金融機関が集中しています。工業では、食料品製造業や電子部品・デバイス製造業が主要な産業となっています。

郡山市の主要産業

郡山市は、製造業が経済を牽引しており、電子部品・デバイス製造業、情報通信機械器具製造業、輸送用機械器具製造業などが盛んです。市内には、日本大学工学部などの高等教育機関があり、産学連携による技術開発も活発に行われています。

経済規模と一人当たりGDP

経済規模では、郡山市が盛岡市を上回っています。2020年度の市内総生産は、盛岡市が約1兆1,000億円、郡山市が約1兆3,000億円でした。一人当たりGDPも、盛岡市が約380万円、郡山市が約410万円と、郡山市の方が高くなっています。

雇用状況と将来展望

両都市とも、有効求人倍率は1倍を超えており、雇用情勢は比較的安定しています。ただし、少子高齢化による労働力不足は共通の課題です。将来的には、ICTの活用やイノベーションによる生産性向上、地域資源を活かした新たな産業の創出などが求められています。

交通アクセスと利便性

新幹線と在来線の利用状況

盛岡市は東北新幹線と秋田新幹線の停車駅であり、東京や仙台へのアクセスに優れています。一方、郡山市は東北新幹線のみの停車駅ですが、新幹線の本数は盛岡市よりも多く、利便性は高いです。在来線では、盛岡市はIGRいわて銀河鉄道やJR東日本の田沢湖線などが、郡山市はJR東日本の磐越西線や水郡線などが運行しています。

高速道路網の整備状況

盛岡市は東北自動車道の沿線にあり、東北地方の主要都市へのアクセスに便利です。一方、郡山市は東北自動車道と磐越自動車道が接続しており、北関東への玄関口となっています。両都市とも高速道路網が整備されているため、車での移動には適しています。

空港アクセスの比較

盛岡市には花巻空港が、郡山市には福島空港がそれぞれ近接しています。花巻空港は盛岡市中心部から車で約55分、福島空港は郡山市中心部から車で約40分の距離にあります。両空港とも東京へのアクセスが便利ですが、就航都市数では福島空港が上回っています。

市内交通と生活利便性

盛岡市は、市内を走るコミュニティバス「でんでんむし」が有名です。一方、郡山市も路線バスが市内交通の中心となっています。両都市とも、中心部にショッピングセンターや大型スーパーが集中しており、生活利便性は高いです。ただし、郊外部では車がないと不便な地域もあります。

教育・文化・レジャー施設

高等教育機関の比較

盛岡市には岩手大学や岩手医科大学など、郡山市には日本大学工学部や奥羽大学などの大学があります。両都市とも、大学や短期大学、専門学校などの高等教育機関が充実しています。学生数では、盛岡市の方が多くなっています。

美術館・博物館の特徴

盛岡市には、岩手県立美術館や盛岡市先人記念館などがあり、地域の歴史や文化に触れることができます。一方、郡山市には郡山市立美術館やビッグパレットふくしまなどがあり、現代アートを中心とした企画展が開催されています。博物館では、盛岡市の石川啄木記念館、郡山市の郡山市ふれあい科学館が有名です。

図書館の利用状況

両都市とも、市立図書館が複数存在し、市民の学習や情報収集の場となっています。蔵書数では、郡山市中央図書館が約54万冊と、盛岡市立図書館の約35万冊を上回っています。

スポーツ施設の充実度

盛岡市には、盛岡市立総合プールや盛岡タカヤアリーナなどの大規模なスポーツ施設があります。一方、郡山市には郡山総合体育館や磐梯熱海スポーツパークなどがあり、プロスポーツチームの試合も開催されています。両都市とも、市民が気軽にスポーツを楽しめる環境が整っています。

ショッピングとレジャー施設

盛岡市のイオンモール盛岡、郡山市のエスパル郡山などの大型ショッピングセンターは、両都市の商業の中心地となっています。レジャー施設では、盛岡市の岩手公園、郡山市の開成山公園が人気のスポットです。

自然環境と気候

盛岡市の自然環境

盛岡市は、北上川と中津川が合流する地点に位置し、市内には高松の池や河川公園などの水辺空間が点在しています。また、市の北部には岩手山や姫神山などの山々が連なり、豊かな自然に恵まれています。

郡山市の自然環境

郡山市は、阿武隈川の上流域に位置し、市内には逢瀬公園や21世紀記念公園などの緑豊かな公園が整備されています。市街地の周辺には、農地や里山が広がり、四季折々の自然を感じることができます。

気候の違いと特徴

盛岡市は内陸性気候で、夏と冬の温度差が大きいです。年間平均気温は10.6℃、年間降水量は1,280mmとなっています。郡山市も、盆地特有の気候で、夏と冬の温度差が大きいです。年間平均気温は12.4℃、年間降水量は1,143mmです。

自然を活かしたアクティビティ

盛岡市では、姫神山での登山やスキー、北上川でのカヌーやラフティングが人気です。郡山市では、磐梯熱海温泉での入浴やハイキング、安達太良山への登山などが楽しめます。両都市とも、豊かな自然を活かしたアクティビティが充実しています。

まとめ

盛岡市と郡山市、東北地方を代表するこの2つの都市を様々な角度から比較してきました。人口規模では郡山市が上回るものの、両都市とも地域の中核として重要な役割を担っています。経済面では、盛岡市が行政・サービス業中心、郡山市が製造業中心と、それぞれの特色が見られました。交通アクセスや教育・文化施設、自然環境といった面でも、両都市は魅力的な資源を有しています。

東北2位の都市としては、人口や経済規模から郡山市がわずかにリードしていると言えるでしょう。しかし、盛岡市も豊かな歴史・文化や自然の魅力を武器に、独自の存在感を放っています。どちらの都市も、東北地方の発展を牽引する存在として、今後ますますの飛躍が期待されます。